では、ビットコインをどうやって流通させているのでしょうか? すでに述べたように、ビットコインはどこかが集中的に管理しているわけではありません。ビットコインの利用者がパソンにインストールする「ウォレット(財布)」と呼ばれるソフトが、ビットコインを管理する「ピア・トゥー・ピアネットワーク」を構成します。

集中管理するサーバーがなく、利用者のコンピュータをデータが渡っていくようなかたちで構成されるネットワークのことを「P2Pネットワーク」と呼びます。手紙を思い浮かべてください。郵便局が手紙を集め、他の場所へ送ってくれる様子は、サーバーによる集中管理そのものです。

では、学校の教室内で、席の離れた場所にいる友だちへ手紙を渡すときはどうでしょう? いまわぷみわゆる「回し文」で、前後左右の席の人を順々にめぐって、目当ての相手に手紙を届ける際には、一人ひとりの学生は、手紙を送る人も受け取る人も、他人に渡す郵便局でもあります。網状にネットワークが構築され、ネットワークとしての機能(ここでは手紙の配送)を「網全体で維持する」しくみがP2P型です。ピットコインはその典型例といえます。

ビットコインの場合、ウォレットごとに特定の文字列が生成されます。これは一つひとつバラバラで、同じものがありません。ピットコイン・ネットワークで送金する際の目印になるもので、メールアドレスや預金の口座番号のようなもの・・・と考えるとわかりやすいでしょうか。「ビットコインアドレス・Aからピットコインアドレス・Bへ、何BTC送る」と指定するだけでビットコインの送金がおこなえます。

ウォレットに蓄積されたビットコインを守るために、ビットコインアドレスと秘密鍵を紙に印刷し、保存しておくことも可能です。そうした印刷物を「ペーパーウォレット」と呼びます。パソコンが故障しても、ペーパーウォレットさえあれば、ビットコインが失われることはありません。しかし、ビットコインアドレスと秘密鍵が揃っているのは、銀行のキャッシュカードと暗証番号がひとつになっているようなものです。ペーパーウォレットを他人に見られると、ビットコインを盗まれてしまう可能性が出てきます。