ビットコインを理解するうえで、暗号が関わるもうひとつの重要な要素が「ハッシュ」です。

ビットコイン・ネットワークは、取引情報をひたすら追記していくかたちで構成されています。この取引情報をまとめるための時聞が、おおむね叩分でした。取引情報をまとめる、といつでもなかなか大変なことです。暗号化によって、一つひとつのビットコインの情報は大きなデータになっていますし、取引量もかなりの数に上ります。すべての取引情報をそのまままとめると、データ量が大きくなりすぎて、短い時間で受け渡すのが困難になるからです。

そこで使われているのが「ハッシュ」です。日常で目にすることは少ないハッシュですが、コンピュータネットワークを支える基本的なしくみでもあります。

ハッシュ、という言葉に聞き覚えがある・・・という人は、おそらく、Twitterなどのソーシヤルネットワークを使っている方でしょう。Twitterでは「ハッシュタグ」というものが使われています。ハッシュタグとは「ある話題に関するつぶやきの印」です。

ハッシュタグの「ハッシュ」も、ここで話題にするハッシュと同じ意味をもちます。ハッシュふちょ‘ワとは、「あるものを示すために使う短い符丁」のことです。ハッシュタグは「話題の符丁」ですし、コンピュータ技術として使われる場合には、「内容が正しいことを示す符丁」になります。

ハッシュという符丁を使う理由は、データ量を大幅に削減できるからです。ハッシュをつくるときには、ある種の計算をおこないます。そういう意味ではこれもまた暗号化の一種なのですが、一般的な暗号とは異なり、「元のデータに復元できない」かたちで短くします。

ハッシュ化のメリットは、データが小さくなることに加え、データ同士を照合する際に、元のデータがなくても可能である、ということにあります。ハッシュ化するためにどんな手法を使ったかを知っていれば、計算はきわめて簡単です。しかし、計算されたハッシュから元のデータを推測するのは容易ではありません。アルファベットの例も、ハッシュがOや250ならばともかく、それ以外の数字の場合に、元の単語がなんだったかを正確に推定することは困難です。