別のいい方をすれば、P2P型は管理コストを利用者全員に薄く広く負担させている、ということでもあります。自分のパソコンや回線上を他人の決済情報が通っていくというのは、そういうことです。ビットコインのネットワークは、システムの処理能力や通信・電気代を、ビットコインの利用者全体で負担しているのです。

どこかの企業が集中的に管理コストを負担しているわけではないため、そこに発生する費用を請求する企業はありません。ですから、一回一回の決済にかかるコストは、クレジットカードなどより劇的に小さなものになります。現実的に、ビットコインでの送金にかかるコストは、最小の場合「ゼロ」であり、高い場合でも0・001BTC(2014年3月時点で約60円)以下です。

じつは、利用者だけで低コストなネットワークを構築する、というP2P型のシステムが着目されたのは、ピットコインが最初ではありません。日本の場合には、2002年から2003年ウイエー頃に話題となった「Winny」があります。違法コピーコンテンツの流通や個人情報の流出といったネガティブな話題とセットで語られることが多かったために、winnyを違法で危険なもの、と考える人もいそうです。「よくわからないけれど、報道を耳にしただけだと恐ろしそう」な印象を受ける点は、ピットコインも同じです。しかし、P2P型ネットワークは、決して危険な要素と不可分なわけではありません。winnyの本質は、大きなデlタを低コストで流通させるしくみにありました。

これとは対照的に、P2P型は回覧板のようなかたちですから、中央にサーバーがなく、パソコン同士がつながってネットワークを構築するため、どこか一点に需要が集中しづらいうえに、巨大なサーバーを構築する必要がありません。winnyが違法コピーコンテンツの流通に使われたのは、低コストで容量の大きなデータを流通させることができたためであり、非常に画期的な技術でした。